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第84回 「元恋人を忘れるために新しい恋人と付き合うと」
10月4日執筆
元恋人忘れるために付き合うのってイケないことなのでしょうか。
ある時、唐突に投げかけられた印象的な質問です。
白状すると、私自身も質問者のその問いに思い当たる節があるので、俄かにあの痛い思い出が蘇りました。
年下の彼女と付き合いが始まった時の経験です。
私の場合は、元恋人を忘れるために付き合ったわけではないつもりでしたが、いざ交際がスタートした
ことで、元恋人の存在の大きさや本当の気持ちに気付かされたのです。
当時、元恋人と別れて数週間くらいしか経っていない最中の新しい恋だったので、元カノへの未練など
意識から外れてしまうくらいその新しい出逢いは魅力的で刺激的でした。
念願叶ってその女性とすぐに付き合うことができたのですが、新しい関係が始まると、今まで見えなかった
価値観や嗜好の違いが際立つようになっていったのです。
「元カノだったら同じことを言っても笑ってくれたのに」
「元カノと全然リアクションが違う」
「元カノと違って深い話ができない」
元恋人の存在は、別れと同時に意識しないように努めていたのですが、別の女性と交際したことで、
よりにもよって元カノの存在がいかに大きかったかに気付かされたのです。
わかりやすい私の態度の変化に、彼女はすぐに気付いたようです。
私は元カノを忘れるために付き合ったの……?
ある時、私の心を見透かしたかのように突き刺さる一言をぶつけてきました。
私はすぐに動揺する気持ちを取り繕って対応しましたが、その後どうなったのかはお察しがつくと思います。
私と元恋人はそれから間もなく別れを迎え、そんな私は気持ちを改めて救いを求めるかのように
元カノに再アプローチしましたが、元カノには新しい恋人ができていて、もはや覆水盆に返らずでした。
結局私は全てを失い、一人に戻りました。
私の煮え切れない態度から短期間で二人の女性が離れていったのです。
失恋してまだそれほど時間が経っていなのに、別の人間と付き合ったり、知り合うことで、
目の前の人間と昔好きだった人間を比べてしまうのは、自然な意識の働きだと思います。
ですが、一挙一動を比べ過ぎて「あの人の方が良かった」「あの人だったら○○してくれた」
などと、今の関係にフラストレーションが溜まるようになったら、破局の時は間近に迫っています。
たとえあなたが巧みに気付かれないように装っても、大抵目の前の人間は悟っています。
他者との比較によって過去との決別が整理できて行けばいいのですが、自分中心に行動している
時期には、不本意でも傍にいる理解者を傷つけてしまうものです。
元恋人を忘れるために新しい出逢いに救いを求めたら。
冒頭の回答に戻りますが、元恋人を忘れるために新しい異性を求めること自体は一概に悪いとは言えません。
結果として過去を思い出に変えられるくらいその異性を愛おしく思える可能性だってありますから。
ですが、元恋人がいた時の快感や居心地の良さが忘れられずに、他人に代わりを求めても、上手くいかない
ケースの方が多いように思われます。
失恋の痛手から立ち直っていなかったり、寂しくて温もりが欲しいから他者に依存しても、自分の思うようには
応えてはくれません。あなたの期待にそのまま従ってくれることの方が少なくて、他人は他人だからです。
温もりや愛情に救いの手を求めるお気持ちはよくわかります。
けれども、自分を見失っている時期には、一時の関係からは心の隙を満たしてはもらえません。
我を取り戻し、再起動するためには、孤独を恐れずに、内面を見つめ直す一人の時間も大切なのです。
あなたがあなた自身を救ってあげられた暁には、またあなたの力で愛したいと思える本気の異性に巡り会えます。
願わくば利己主義に走って大切な人を失ってしまったかつての私のようにはなって欲しくはありません。
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