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3月18日 23時30分執筆
第四十九回 「どうしても好きな人を諦められない時には」
片思いをしていたあの人に、他に好きな存在ができてしまった。
片思いをしていて、告白をしたけれども、振られてしまった。
片思いしていたあの人に恋人ができてしまった。
ようやく念願叶って付き合えたのに、振られてしまった。
あの人を自分から振ってしまったものの、今更相手の大切さに気付いた。
でも、もうあの人は心は自分から離れてしまった。
諦めなければいけないのかもしれない、でも諦めたくない・・・・・・・
みなさん今、それでも好きで好きで、諦められない人はいますか。
もしかしたらもう相手に自分の想いは伝えているのかもしれない。
または、想いを伝えることも怖くて、ただ一人で孤独に苛まれている最中なのかもしれないですね。
好きな人を諦められなくて、この苦しみから解放されたい自分は、どうすれば救われるのでしょうか。
私はかつてこの問いの答えを求めて、一人の女性を時間をかけて追い続けたことが三回ありました。
一人の女性は以前コラムの中で語った彼女です。
そして二人目の女性は、今回登場する三年前にお付き合いをしていたある女性です。
私の実体験を基に、今回のコラムのタイトルの答えに対する私のメッセージを感じ取っていただければ幸いです。
縁がある時は本当に物事が順調に運ぶもので、それまで片思い失恋を幾多も重ね、自信喪失して恋愛に
希望を失いつつあった自分が、その女性とは、出会って一カ月で付き合うことができました。
それまでが嘘だったかのように、新鮮で刺激的な日々を共に過ごすことができたのですが、あることが原因で、
彼女の気持ちは急変し、その時は突然訪れたのです(ここではあえて詳しい原因は伏せます)。
そう、それは「別れ」の瞬間。
その連絡は、ある初秋の土曜日の午後、家で何をするでもなく一人で寛いでいる時にやってきました。
「(省略)出会えて本当に色んなことを学んだよ。今までのことは全部後悔していない。本当にありがとう、さようなら」
相手から一通のメールで非情にもそれまでの関係に終止符を打たされるような宣告を受けました。
そのメールを受け取った時、
「あの彼女がここまで淡々と自分にさよならを告げている。もうこれは修復不可能なレベルだろうな」
と直感で悟りました。
こういうメールを受け取ったとは、彼女がはじめてではありませんでした。
過去の経験から、女性がそういう内容のメールを男性に送る時は、気持ちの整理がついているからだというのは、
予想がつきました。
「わかった。そこまで言うのならば、別れることがお互いにとって良いのかもしれないね」
ディスプレイに表示されている彼女の無慈悲な長文に対し、私は冷静に返信しました。
しかし、そのメールを送り終えた後、そんなクールな内容とは裏腹に、私の胸の中では、
「まだ努力すれば、自分の本気を見せればどうにかなるかもしれない」
という諦めきれない想いと、
「彼女はまだ自分のことを好きでいれてくれているだろう」
という妄信が止まなかったのです。
それは、別れを直接彼女と面と向かって言われたのではなく、メールという文字媒介のツールで告げられたことと、
そのメールが送られてくる数日前まで、あそこまでお互い好きあっていた過去の記憶から、現実を俄かには受け入れられない
自分がいたのです。
今ならまだ間に合うのかもしれない!
私が5分後にとった行動は、彼女に直接会いに行く選択でした。
メールでなれば、自分の気持ちなど幾らでもオーバーに、そして簡単に伝えられる。
でも、自分の本気の気持ちを彼女に分かってもらうためには、行動に移して、理解してもらうしかない。
「きっと自分に会えば考えを変えてくれるはずだ。自分も本気で気持ちを伝えよう」
可能性を信じて、無我夢中で彼女が住む最寄り駅に電車とダッシュで駆けつけました。
しかしながら、もはや彼女と分かち合うことはできませんでした。
結論から言うと、彼女は私とは会うことすら受け入れず、なんとかその日の夜に電話で話す機会を設けられましたが、
彼女の気持ちは冷めていて、ただあのメールと同じように、別れたいという変わらぬ想いを語ってくれただけでした。
ここまでして、ようやく私の中で「もうこれは本当に別れるしかないんだな」
と、諦めざるを得ないよう現実を突き付けられました。
私は、プライドもありましたが、付き合った想い出を無様なものにしないためにも、縋ることなく、別れを受け入れました。
こうして、お互い、別々の道を歩くことになったわけですが、結局私は彼女のことを忘れることができませんでした。
失恋のショックというよりも、別れを受け入れなければいけないのだろうけれども、まだ直視したくない。チャンスさえあれば、
やり直したい、復縁を模索し続ける日々が始まったのです。
いつか必ずまた彼女に会える日が来るに違いない。私の中には、確信に近い予感が常に芽生えていました。
それはしっかりとした根拠があったのですが、もしかしたら、彼女が離れてみて、自分のことを思い直してくれるかもしれない
という妄想や、自己研鑽を重ねることで、成長した自分を見て、彼女とまた付き合えるのかもしれないという目標を掲げて、
孤独に絶望することなく、その日がくるまでそれなりの行動を重ねて行きました。
想いは必ず実現する。一度好きになって付き合えた仲だ、復縁できる可能性は大いにあるんだ。
めげそうになった時は、彼女と交際できるようになった過去の事実と、付き合っていた時の幸福な映像を思いだして、
自分を鼓舞していました。
月日の流れるのは、早いもので、別れてから9か月が経っていましたが、待ち望んだその瞬間が本当に到来しました。
あることをきっかけに、彼女と再会することができたのです。
別れてから再会するまで、一度も連絡をしたりすることはありませんでした。
彼女は自分が想像していたよりも、やつれていて、肌も荒れており、付き合っていた当時のような精彩に欠けているような
印象を受けました。
自分の中では、自分を別れたことによって、楽しい生活を過ごしているのに違いないと想像している点もあったので、意外な
展開でもありました。
私はこの日のために、修行を重ねてきたのもあって(大げさに聞こえるかもしれませんが)、久しぶりに話しかけることに
勇気が要りましたが、自信がある様を装って彼女に話しかけました。
元気だった?
しかし、彼女の反応は、私が想像していた以上に、冷たいものでした。
ええ、元気でしたよ。
まず、こちら側の第一声に敬語で返されたことで、赤の他人同士というような関係を痛感しました。
彼女と初めて出会った時ですら、ここまでよそよそしくなかったのに、この機械的な反応は、想定外のショックでした。
だって、彼女と会うまでは、「彼女はきっとまた自分のことを受け入れてくれるかもしれない」なんて根拠のない希望をモットーに
何とか乗り越えてきたのですから。
目の前にいる彼女は、もはや私と付き合っていた頃の女性ではありませんでした。まるで別人なのです。
その後も気まずい空気が流れていましたが、ブランクを埋めるためにも、KYかもしれませんが、自分から話しかけ続けました。
学校生活はどうなのか(彼女は当時大学生でした)。
将来の夢は変わったか。
今は何に夢中になっているか。
聴きたいことは山のようにあったのですが、彼女のそっけない態度を目の当たりにすると、矢継ぎ早に問いかけることは
できずに、3問くらい投げかけるのがやっとでした。
相変わらず彼女は、社交辞令的な対応でしたが、一問一答ではありますが、自分の問いには真摯に答えてくれました。
そこで分かったことは、彼女は大学生活は勉強に追われていて、ほとんど遊んでいなく、仲の良い友人にも恵まれていない
ということでした。
長い間孤独の最中にいた自分にとって、彼女の意外すぎる境遇を聴いて、共鳴を覚えると同時に、
「また付き合って彼女を幸せにしたい」という欲望が俄然強くなりました。
実は心の何処かに邪悪な妄想があって、「彼女はこんな自分を振ったのだから、自分だけ苦しんでいるの
ではなく、彼女も独りになって、苦労しているかもしれないな。そしてこんな自分をまた必要とする時がくるかもしれない」
なんて自分にとって都合の良い希望を抱いている部分もあったのです。
「彼女にまた会えるはずだ」と信じていたことによって、願望が実現したのだから、諦めずに、努力すれば
また付き合えるのではないかと妄信が止みませんでした。
彼女は自分を嫌ってはいないはずだ。別れてしばらく経っているのだから、振った手前気まずくて
クールな態度をとっていて当たり前だ。
目の前の現実をなんとか自分にとってプラスに考えられるよう、自分に言い聞かせました。
ここで諦めて身を引いてしまったら、もう二度と自分の気持ちを伝えられるチャンスはないかもしれないしですし、
数カ月努力して変わった自分を見てもらえることもないまま、本当に会うことができなくなってしまうのだけは嫌でした。
彼女とはそれから数回会うことができて、相手の反応をうかがいつつ、気持ちをアピールしていったことで、
徐々に自分に対する態度も柔和になっていきました。付き合っていた当時のように、冗談を交わし合ったり、笑顔を頻繁に
見せてくれるようにもなりました。
そして、付き合っている時にもしなかった手紙を書いて自分の気持ちを伝えたりして、彼女の気持ちの変化を信じました。
しかし、それでも彼女とまた心を通わすことはできなかったのです。
一度振られている、というのもあって、自分からまた「やり直そう」とは、切り出せずにいました。
もちろん、また傷つくのは嫌だというプライドと恐怖心もありましたが、出来る限りの誠意を見せれば、あえて告白をしなくても、
彼女の方から、好意を見せてくれるのではないかというねらいがあったのです。
そんな自分の期待は、実現することもなく、彼女に手紙を渡して返事をもらったのを最後に、彼女とはまた音信不通になりました。
ありがとう。本当に嬉しかった。
この言葉が忘れられずに、彼女からの連絡をひたすら待ちましたが、着信がなることはありませんでした。
流れを変えるために、半年後に、ついに私の方から彼女に電話をかけてみたところ、彼女は電話に出てくれました。
最後に会った時以上にノリが良く、近況報告などもし合ったりして、「また今度ね」と言って電話を切ったのです。
まさか、これが彼女と話す最後の機会になるとは夢にも思わずに……。
その後も彼女に自分から電話をかけてみましたが、一度も繋がることはありませんでした。
着信拒否にはされていませんでしたが、電話からメールに替えて送ってみましたが、全く応答はありませんでした。
実は音信不通から5ヵ月後にまた彼女に会うことができたのですが、一度も話すことなく、一瞥だけして、別れました。
それから、一度も連絡することなく、今日に至ります。
彼女の中では、私に別れを告げた時点から、未来に進んでいたんですよね。
そして、私の存在は過去の人に切り替わっていたんです。
私はその事実から目を背けて、いや向き合わなければならないことを頭では理解していたのですが、心が受け入れられなく、
それでも彼女のことを諦められずに、想いを貫き通したいという選択に拘っていたのです。
女性は男性とは違って、気持ちを切り替えたら、もう過去を振り返ることはない、気持ちが冷めて別れを自分から切り出した
ケースでは気持ちが戻ることは皆無。ネット上でも多くの経験者は語っていました。
それでも自分の場合は違う。彼女は変えられると信じていました。
がんばればどうにかなる。彼女にまたあの時の気持ちを再燃させられれば、やり直せる。復縁は難しくない。
妄信に従っている時、私は常にその思いに励まされ、行動してきました。
ですが、長い年月の過程で、彼女の現実的な態度を多々目の当たりにしたことで、ようやく、心が理解できたのです。
もう、彼女は別の人生を歩んでいる。彼女が辛い時、悲しい時、嬉しい時に、共に共感し、歩んで行く相手は自分ではない。
彼女は自分を必要としていない。
最後に会いに行ったのは、復縁を告げるためでも、無視された理由を問い正しに行くためでもなく、自分の中で本当の意味で
けじめをつけるためだったのです。
音信不通以来、最後に彼女の横顔を垣間見れたことで、全く別次元の人間であることを実感できたのです。
好きな人を諦められません、どうしたら良いでしょうか。
メールや相談所でこのようなご相談を寄せてくださる相談者様は男女共に多いです。
そんな相談をうかがっていて、自身の過去の体験と照らし合わせながら、私はいつも
自分が納得するまで行動してほしい。
行動する前から想像の世界の自分に捕らわれて諦めることはやめてほしい。
というメッセージを込めてお返ししています。
今、このコラムをご覧くださっているみなさまの中にも、同じケースを抱えていらっしゃる方がいるのかもしれません。
私の場合は自分の理想とするような結末を迎えることはできませんでしたが、唯一自信を持って言えるのは
「後悔」だけはない、ということです。
そして、諦めないでとことん行動を重ねたことで、自然に諦めがつけられました。
もしも、自分の気持ちに無理やり蓋をして、行動を起こさなかったら、きっと後悔だけが募っていつまで経っても先に進め
なかったことでしょう。
諦めなければ、過去とは違った展開を迎えられるはずです。
「もういいかな」って、思えるその時まで、自分を信じて行動してみることで、必ずや今抱えている悩みは解決されます。
今みなさんが抱えている恋愛は限界を迎えましたか。
まだ、「いけるかもしれない」という可能性が少しでも残っているのらば、チャンスに賭けて行動してみませんか。
過去を忘却し、望む未来を構築できるのは、他でもないあなたなのですから。
終
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