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第44回 「孤独を愉しむ -失恋から生まれる孤独から-」
 
                                                         5月6日執筆

  
    唐突ですが、みなさんは休日一人で過ごすのと、大切な誰かと過ごす事ではどちらの方が多いですか?

    "大切な人"とは友達であったり、職場や学校の仲間であったり、家族や恋人や夫婦など、その認識は
   みなさんそれぞれでしょう。
    ちなみに私は、1.一人っ子2.群れるのを厭う性格3.所謂"浅く深くの友人関係"を好む、といった三拍子が
   揃っているのですが、どちらかと言う土日祝日は、家族などと過ごす事の方が多いです。もっとも、ショッピング
   や漫遊など、出先においては大半はひとりで行動しております。
   単独行動を


    それでは次の質問に移りますが、オフの日は一人で過ごす事と、大切なあの人と過ごすのとではどちらの
   方が充実しているでしょうか。


    予め申し上げますと、既婚者の方には、今回の話はちょっと外れてしまうかもしれませんが、私はこの問いに
   対してケースバイケースでありますが、やっぱり大切な人と過ごす方が素直に楽しいです。
    私にとって大切な人は一概には言えず、家族や親友であったりするのですが、共に共有する時間は格別です。
   
    しかしながら、笑いあり喜びあり刺激ありで、気が安らぐ彼らと過ごす機会は確かに居心地が良いものですが、
   常に誰かとべったり過ごすのは勘弁で、同じくらい自分の時間も大切にしたいというのが、私のモットーです。

   みなさんそれぞれの主義や価値観があるでしょうが、みなさんの場合はどうだったでしょうか。


    前置きが長くなりましたが、今回のタイトルが「孤独」であるのと同時に、コラムのテーマが「恋愛」であるのを
   踏まえた上で、展開して行きたいと思います。


   先述した質問に付随しますが、恋人と過ごすのと一人で過ごすのでは同じ休日でも密度が違いますよね。

    俺は独り方が気が楽で自由に過ごせるからいいんだ。
    私は一人の男に縛られるよりも仲の良い友達と過ごしたり、趣味や仕事に生きる方が楽しいわ。


    世の中には十人十色の考え方があるので、一概に「恋人と過ごす休日が一番楽しい」とは言い切れませんが、
   殊に事が失恋直後であったりすると、話は変わってくると思います。

    恐らくこのコラムを読んでいる方の大半が大好きだった彼または彼女に別れを告げられて、どうしようもない
   孤独感を体験している(いた)のではないでしょうか。

   失恋の不条理なところは、失恋後の振った側と振られた側の時間軸が対極なところですよね。

   冷めた
   喧嘩別れ
   好きだけれど別れざるを得なかった
   他に好きな人ができた
   完全に嫌いになった

    etc……

    別れた原因は一様ではないでしょうが、基本的には振った側のエゴイズムによって、振られる側は別れを受け
   ざるをえないようになったのではないでしょうか。
    振った側は、直後は罪悪感や葛藤に苛まれるものですが、既に気持ちの整理がついて自分から切り出したのだ
   としたら、大抵は引きずらず、すぐに心を切り替え、心機一転手の届かない遠い世界へ旅立って行くものです。

    ところが「好き」という気持ちを拭いきれないまま、否応なしに独りにさせられた上、大好きな人はもう二度と戻って
   こない闇の世界に置き去りにされた振られた側は、これまでの幸せな生活の影に潜んでいた孤独ととことん向き合う
   事になります。

    一ヶ月、三ヶ月、半年、一年……

    どれだけ時間が経っても脳裏からあの人との濃い思い出が消え去ることがない。
   独り街を歩いていると、目の前には手を組んでラブラブに道を阻んでいるカップルが。
   別れを告げた側はもうとっくに違う生活を歩んでいるのに、どうして自分だけが過去にとらわれて
   いなければならないのでしょうか。

   自分の力ではどうすることも出来ない失恋の理不尽さをとめどなく痛感しながら、生きていくしかないのです。


   あの頃の自分に戻りたい。




       第44回コラム「孤独を愉(たの)しむ」


    今回のこのタイトルはまさに寝耳に水に聞こえたでしょうか。
   私が上記のような問いを投げかけたのは、孤独について一度多角的に見つめ直していただきたかったからです。
    
    今回のコラムのタイトルに使われている"たのしむ"を"楽しむ"とせずに、常用外の"愉しむ"を用いたのも、常識
   から外れた違った見方のきっかけ作りにになれればという願いからです。

   一刻も早く孤独から抜け出したいのに!!
   もう独りで苦しむのはたくさんだ。
   今すぐにでも誰かに縋りたいのに、敢えて孤独を愉しめだって?
   孤独の今が辛いから楽になりたいんだよ……


    確かに、1日24時間の中で睡眠時間以外は絶えず孤独を痛感してるのに、どうしたら孤独を愉しもうなんて
   そう簡単に考えられるはずもないですよね。
 

   では、どうして孤独になることをそこまで恐れてしまうのでしょうか。
   そして、どうすることで孤独から開放され心が安定されるのでしょうか。
   孤独にはそんなに意義がないのでしょうか。



    上記3つの問いを、「3分以内にそれぞれ論理的に答えよ」と言われたら、簡単なようで考えに詰まってしまう
   のではないでしょうか(少なくとも私はそうです)。

   孤独は心の問題ですから、心理や感情を言語化するのってなかなか難しいですね。

    その上で私なりに先の命題を改めて考えると、

   ・どうして孤独になることをそこまで恐れてしまうのか
   →だいたい独りになるとろくなことを考えない。過去のトラウマや先の見えない不安など苦しくて夜眠れなくなる。
   →独りって寂しいよ。やっぱり人間独りじゃ生きていけない。もう独りはこりごりなんだよ。
   →だって、今まさに自分が孤独を実感しているんだから、他の理由はないでしょ。

   ・どうすることで孤独から開放され心が安定できるのか。
   →そりゃ愚問でしょ。元恋人とヨリを戻せれば、孤独なんて一気になくなるに決まってるよ。
   →やっぱり失恋が原因だから、新しい好きな人が出来たらかな。
   →親しい友人と一緒にいる時だよ、唯一気が紛れるのは。
   →正直、どうすれば良いかもわからない。
   →好きなことに熱中している時だけかな。

   ・孤独には意義がないのか。
   →そんな事考えたこともないし、意義なんてあるのか。
   →そういえば意義と意味の違いって……何?
   →全ての物事には意味があるはずだから、きっと孤独にも何か価値があるのかもしない。
     あっ、平原綾香の「Jupiter」の歌詞の中に「愛を学ぶために孤独があるなら、意味の無い事など
     起こりはしない。
」っていうフレーズがあったな。もしかして孤独は愛への登竜門なのかな。


    以上、独断と偏見でいくつかの回答パターンを用意してみましたが、みなさんはこの発問に対していかがな印象
   を受けたでしょうか。絶対的な法則や答えの開示となると話がまとまらなくなるので、ここでは伏せておきます。
    
    果たして孤独=ネガティブで避けるべきものなのでしょうか。

    確かに、大好きなことに没頭していたり、大好きな人と一緒にいる時間は我を忘れるくらい居心地が良かったり、
   精神がもっとも安定している瞬間だと思います。
    しかし、その時間が長かろうが短いが、気がつけば誰もが必ず孤独と対峙しなければ行けないような
   時がやってきますよね。
    どんなに大好きな人でも、どんなに夢中になれる対象でも、24時間欠かさず共有する事は不可能なのです。
   もし、仮に365日どんな時も常に一緒になれたとしたら、今抱えている孤独は解決するのでしょうか。

    答えはNOではないでしょうか。

   どれだけ好きな対象でも、年がら年中纏わりついていては、鬱陶しく私生活に悪影響を及ぼす害となってしまう
   危険性もあります。家族であろうが夫婦であろうが、身近な存在でも一線を置かないと円滑な関係は保っていけ
   ないのは言うまでもないですよね(もっとも私の意見が絶対ではなく例外もあるとは思いますが)。

    誰にとっても独りになって、自由に過ごす時間は必要不可欠なものです。
   この機会に敢えて自分だけで過ごす中で取り組んでいる事柄についても考えてみます。
   当り前の中に、新しい発見があるかもしれません。

    具体的に独りの時間に出来る事、している事を挙げると、一例として

   ・読書
   ・TV・映画鑑賞
   ・インターネット
   ・ゲーム
   ・トレーニング
   ・ショッピング
   ・勉強


    などがありますが、逆に独りでなくては集中して打ち込めない物事が意外に多いのに気がつきます。
   そうやって独りの時間に培った知識と見解が、他者とのコミュニケーションのきっかけや自分らしさに繋がります。

   「昨日あの番組見た〜?」
   「昨日ネットで面白いサイト見つけたよ」
   「この前あの話題の赤坂サカス行ってきたけど、良かったから今度一緒に行こうよ」


    独りの時間に体得した新しい発見と好奇心が、学校や職場の潤滑油や新しい出逢いに結びついているのです。
   そう、孤独の時間に体得出来る事物は、多かれ少なかれ共通して自己鍛錬に直結しているのですよね。
    孤独と共有をバランス良く往復することで、実りある人生を送れるのではないでしょうか。

    続いて、孤独はとは字の意味の通りひとりでいる事を指しますが、果たして現実においてひとりで過ごす時間
   だけが孤独を彷彿とさせられるのでしょうか。



    職場の中の孤独
   仲間の中の孤独
   学校の中での孤独
   サークルの中での孤独



    実際、他者との交流に身を投じても、孤独からは逃れる事が出来ず、自分の居場所すら見出せない現実も多々
   あります。たとえ第三者に縋っても、つかの間の安息を得られるだけかもしれません。
    幸せいっぱいの人間に触れることで、かえって孤独感が増す恐れもあります。

   
    もし失恋から立ち直れずに、どうしようもない孤独に苛まれて明日を見失っていたとしたら、
   なかなか新しいきっかけを見出すのは難しい状態かもしれません。
    でも、今こうしてあなた様に私のコラムをつらつらとご覧下さっているように、あなた様が孤独と向き合っているから
   こそ、私は読者である他でもないあなた様と、文字を通じて出逢える事が出来たのだと信じております。

    私自身も常に孤独と隣り合わせで生きており、切っても切れない関係ですが、孤独を原動力にこのサイトを
   立ち上げ、今では350名の多種多様な皆様と出逢えている因果の形。そして莫大なサイトからピンポイントに
   このコラムに足を運んでいただき、私のメッセージを目にして下さっている奇跡に、孤独がもたらす大きな恩恵を
   感じております。

    失恋直後は「孤独を愉しむ」なんて発想は間違っても湧かないでしょうが、いつの日にか「案外独りになるのも
   悪くないかも」と、なにげなく感じられるようになったとしたら、無意識的に孤独のチカラを自分の心に昇華された証
   かもしれません。

    孤独を恐れないで。
   孤独ととことん向き合えれば、昨日までの自分ではない新しい自分作りの原動力になってくれます。
   孤独をこれだけ受け入れているからこそ、生まれ変わった自分でまた違う出逢いを迎えられるのです。
    愛を学ぶために、そして再びあの笑顔に巡り合えるその日まで。


   終
  

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